武満徹の歌曲「翼」について

 
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こんにちは。ソプラノ歌手みやこです。

作曲家として世界に知られる武満徹さん。その作品は実に多岐に渡りますが、
たくさんの歌曲も残しています。

今日はその中の、「翼」について書いてみます。

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武満徹について

1930年10月8日東京生まれ。
主に独学で作曲を学びました。
世界中の音楽祭や著名なオーケストラからの委嘱を受けて
多くの作品を発表。
「世界のタケミツ」として知られています。
また、90を超える映画音楽や、テレビドラマ、ラジオ、演劇の音楽を担当しました。
その傍ら、エッセイや小説なども手掛けていて、その作品の規模は、かなりの大きさです。
1996年2月20日、65歳で亡くなりました。

翼について

1982年2月に公演が行われたアーサー・コピットの演劇「ウイングス」のために作詞、作曲され、
劇中、市原悦子によって歌われました。
その後、自作の歌をポップス編曲者の手に委ねたCD「ポップ・ソングス」
を1995年に出し、その中にも入っています。
武満はそのCDの出版にあたり、
「きっと多くの方が、なぜクラッシックの、しかも小難しい現代音楽を書いている作曲家が
こんなアルバムを作ったりするのか、不思議に思われただろう。
「翼」という歌にも書いたように、私にとってこうした営みは、『自由』への査証を得るためのもので、
精神を固く閉ざしたものにせず、いつも柔軟で開かれたものにしておきたいという願いに他ならない。」
と書いています。

そう考えると、武満徹の歌曲はどれもユニークで親しみやすく、
「現代作曲家」という枠に囚われている様子がないので、
彼にとってのうたは作曲家武満徹にとっての自由への象徴とも言えるのかも知れません!

アーサー・コピットの戯曲、「ウイングス」について

アーサーコピットはアメリカの劇作家。
ウイングスは脳卒中に倒れ失語症となった元曲芸飛行士の女性患者の陰鬱な闘病を描いたもの。
日本語訳は、額田やえ子 劇書房から1982年に出版。

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歌詞

風よ 雲よ 陽光よ
夢をはこぶ翼
遙かなる空に描く
「希望」という字を

ひとは夢み 旅して
いつか空を飛ぶ

風よ 雲よ 陽光よ
夢をはこぶ翼
遙かなる空に描く
「自由」という字を

まとめ

作曲家などの表現者にとって、自由であることはとても大事なことなんだなぁと気付かされますね。
実際この曲も、ジャズのような、ブルースのような曲想で、
ふわふわと空を飛ぶというより、浮かんでいるような心地よさがあります。
そして武満さんの代表作であるノヴェンバー・ステップスや、弦楽のためのレクイエムなどとは
似ても似つかない曲想でもあります。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。