モーツァルト作曲 歌曲「すみれ」Das Veilchen ソプラノ歌手みやこの和訳(意訳)付き

 
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こんにちは。ソプラノ歌手みやこです。

今日はモーツァルト作曲の歌曲「すみれ」のご紹介です。

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作曲者モーツァルトについて

1756年にオーストリアのザルツブルクの宮廷音楽家の父のもとに生まれました。
幼少期からその才能を発揮し、
ヨーロッパ中を父と共に演奏旅行をしに渡り歩く幼少時代を過ごし、
神童と呼ばれました。
作曲はその35年しかなかった人生にしては膨大な量で、
実に多岐にわたります。
オペラの「魔笛」や「フィガロの結婚」などがとても有名ですが、
その他にも交響曲、ピアノ曲、
弦楽四重奏曲などのアンサンブル曲やオーケストラと楽器のための協奏曲など、
あげればきりがありません。

そしてモーツアルトは、その生涯で40曲ほどの歌曲も残しています。

歌曲とは

歌曲とは、クラッシックの声楽曲の中の1ジャンルで、
英語では「アートソング」なんて呼ばれることもあります。
芸術性の高い歌の総称で、
歌曲と言っても歌が主役、ピアノは脇役、という位置づけではなく、
歌も伴奏も音楽を形成する重要な役割を果たしています。

歌曲とリートとアートソング

すみれ

今日ご紹介する「すみれ」は、歌曲の中でも、ストーリーが展開する作品です。

野に咲く可憐な1輪のスミレ
そこに可愛い少女が鼻歌を歌い、スキップをしながらやってきます。
スミレは思います
「ああ、ぼくがもう少し大きな目立つ花だったら。。。
そうしたらきっと、彼女は僕に気づき、つみあげてくれるのに。。。
彼女の胸に押し付けてもらえたなら、どんなに幸せだろう」

そこへ何と、彼女が近づいてきます!
そしてどんどん近づいて。。。
哀れなスミレは気づかれることもなく、踏みつぶされてしまいます。。。
そしてスミレは思います。
「ああ、彼女の足の下で死ねるなんて、ぼくはなんて幸せ者なんだ!!」

これをモーツァルトが表現すると、なんとも可愛らしい、
なんともひょうきんな、そして何とも物悲しい
何とも言えない絶妙なバランスの、見事な歌曲が出来上がります。

この曲では、ストーリーとスミレは歌で。
そして、ピアノは情景だけでなく、
女の子の鼻歌、スミレの心の移り変わりを表現しています。

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ドイツ語の歌詞(原詩)

Das veilchen

Ein Veilchen auf der Wiese stand,
Gebückt in sich und unbekannt;
Es war ein herzigs Veilchen.

Da kam ein’ junge Schäferin
Mit leichtem Schritt und muntrem Sinn
Daher, daher,
Die Wiese her, und sang.

Ach! denkt das Veilchen, wär ich nur
Die schönste Blume der Natur,
Ach, nur ein kleines Weilchen,

Bis mich das Liebchen abgepflückt
Und an dem Busen matt gedrückt!
Ach nur, ach nur
Ein Viertelstündchen lang!

Ach! aber ach! das Mädchen kam

Und nicht in Acht das Veilchen nahm,
Ertrat das arme Veilchen.

Es sank und starb und freut’ sich noch:
Und sterb’ ich denn, so sterb’ ich doch
Durch sie, durch sie,
Zu ihren Füßen

Das arme Veilchen

Es war ein herzigs Veilchen!

和訳(みやこの)

すみれ

すみれは牧草地に生えていた
ひっそりと こうべを垂れて
可愛い愛しいすみれ

そこへ若い羊飼いの娘がやって来た
軽やかに 楽しげに
牧草地に沿って進み歌っていた

あぁ!すみれは思った
僕がもし世界で番素敵な花だったら
あぁ!そしたらほんの少しの間
僕を摘んで彼女の胸に押し当ててくれるだろうに!

でも、あぁなんてこと
彼女はそばにやってきて
すみれに気づくことなく
踏みつぶしてしまった

すみれはたおれ でも喜んで死んだ
だって死んでも 彼女に触れて
彼女の足の下で死ねたから

かわいそうなすみれ

可愛い愛しいすみれ

まとめ

ひとつの曲がひとつのお話になったこの曲。
モーツアルトらしいピュアで快活な曲調です。

聴くのも歌うのも楽しい。
ユーモラスだけど、でもちょっとちくっと心に棘がささるような。。
そんな曲です。

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。