音楽表現を磨く方法と鍛え方。〜より良い演奏を目指す方のために

 
Pocket

こんにちは。ソプラノ歌手みやこです。
素晴らしい演奏を目指すために必要な事。

それは最終的には表現することに結びついてきます。
演奏のためのテクニックや音楽の知識が揃って、曲が演奏できても、
表現ができなければ音楽することにはなりません。
むしろ曲がある程度演奏できるようになったところがスタート地点とも言えるかもしれません。

テクニックは練習を重ねれば鍛えることができ、楽典や和声、音楽史などは学べば習得できますが、
表現に関してとても曖昧で、教えるのも教わるのも難しいですよね。

今日はその、曖昧で難しい音楽表現を学ぶヒントを盛り込みました。
ぜひ参考にしてください。

楽譜を読み解く

え?楽典や何かはちゃんと学んでいるし、音符も読めるし、楽譜も読めるし。
フォルテ=強く ピアノ=弱くなんてことは、とうの昔に知っているし、
今更その辺に関して学ぶことなんてないですけれど?
と、思われた方。

学ぶのではなく、さらに深く、掘り下げる必要があります。

強弱記号

楽譜を読み解き、表現する上でヒントになるのが記号です。

何のためにあるのか?を、常に考えます。
どうしてここでPの表示があるのか、なぜスラーはここから始まってここで切れているのか。
それを、感情的に理解します

最初はシンプルで構いません。
嬉しいから盛り上がってフォルテに。
命が終わって消えてゆくからデクレッシェンドしてピアニッシモに。

そんなふうに考えているうちに、あなたが思う、音楽に秘められたメッセージやストーリーが浮かんでくると、
自然に曲に感情移入ができるようになってきます。

音楽用語

自分なりの解釈、自分で作り上げた物語で演奏することによって、音楽の深みが増すことは間違いありませんが、
特にクラッシック音楽において、その上で大事なことは、作曲者からのメッセージを全て受け取ることです。
Allego、Andante などのテンポ表示はもちろん、作曲者が楽譜の中に書いているものは全て調べて理解しましょう。

クラッシック音楽は再現芸術で、作曲者の音楽をただ正確に表現するのが演奏家の役目だ、
という人がいたりしますが、私はその意見に関して、イエスでもノーでもあります。
クラッシック音楽は、伝統音楽であり、作曲家の創った芸術作品を演奏家が再現する、
という点では間違いはありません。
しかし私は、演奏するのも意思と心を持つ人間であり、それも含めて芸術だと思っています。
つまり、演奏家も芸術家です。

ただ、あくまでも演奏するにあたって、作曲者という存在を片時も無視してはいけないのです。
作曲家が楽譜に残したどんな小さなメッセージも見逃さないようにしましょう。

自分の感情を刺激する

鑑賞

影響

積極的に人と関わる

経験

何にでも挑戦する

音楽を聴くときの注意と危険性

上記のようなことを詰めてゆき、音楽が自分のものになる作業をしている最中や、新しい曲を学ぶ前は、
出来れば学んでいる曲の他の人の演奏を聞かない方が良いです。
これはいずれ他のブログでも詳しく書きたいと思いますが、
主な理由は以下の2つです。

1. 楽譜を読み解く機会が奪われる。

楽譜を読むのはなかなか手がかかるので、ある程度耳で覚えてしまった方が譜読みは早く済みますね。
でもその近道は危険です。
昔習っていた先生に言われました。
時間をかけてゆっくり歩めば、道端に花が咲いていたり、鳥が鳴いていたり、色々なことに気付けるけれど、
同じ道を通っても車で走ってしまったら同じものがあっても気づけずに終わる。と。
耳コピはやめて、作曲家の書いたあなたへのダイレクトメッセージである楽譜をしっかり読みましょう。

2. 演奏家の癖を真似てしまう危険がある。

良い演奏家の演奏であればあるほど、奏でる一つ一つの音、フレーズ、曲想にはすべて裏付けと理由があります。
それを表面的に真似てしまうと、意味なく強弱をつけたり、テンポを変えたりしてしまう可能性があります。
強烈な個性のある演奏もありますので、
それを真似てしまうとただのモノマネをするコメディアンになってしまいます。

もし今学んでいる曲の勉強のために聴きたいのであれば、同じ作曲家の別の作品を片っ端から聴きましょう。
それはそれは勉強になります。ぜひお試しください。

まとめ